通信規格
携帯電話の通信規格(方式)はおおむね以下のようになっている。
| 地域 | 2G | 3G |
|---|---|---|
| 日本 | PDC、cdmaOne | W-CDMA、CDMA2000 |
| 韓国 | cdmaOne | CDMA2000、W-CDMA |
| 北米 | GSM(850/1900MHz)、cdmaOne、D-AMPS、iDEN | EDGE、CDMA2000、W-CDMA |
| その他 | GSM(900/1800MHz)、cdmaOne、D-AMPS、iDEN | EDGE、CDMA2000、W-CDMA |
日本と韓国では、第二世代携帯電話(2G)において、世界的に主流となっている“GSM”(Global System for Mobile Communications)という方式は採用されていない。日本の2Gにおいては “PDC”(Personal Digital Cellular)という独自の方式のが主流であったため、独自の端末やサービスが普及する一方、海外端末メーカーの参入や国際ローミングサービスが進まず「鎖国」的状態にあった。韓国では2Gにおいて、アメリカの「クアルコム(Qualcomm)」社の“cdmaOne”(IS-95)という方式を全面的に採用し、「サムスン電子」や「LG電子」などが国際的に飛躍する基となった。北米はEUとは異なり、政府は携帯電話事業者に技術の選択について強制せず、各社の選択に委ねた。結果として、GSMとCDMAがほぼ拮抗しているのが現状である。日本のcdmaOneおよびCDMA2000は、UHFテレビ放送波との干渉回避のため、上りと下りの周波数が他国と逆転している。このため一部の国際ローミング対応端末を除いて他国との互換性がない。
第三世代携帯電話(3G)は、第二世代携帯電話が各国・各地域で独自の方式、異なる周波数を採用し、全世界での同一方式の利用が出来なかった反省を踏まえ、第三世代携帯電話の規格、“IMT-2000”の決定においては、携帯電話を全世界で利用できるようにするための指標が立てられた。しかしながら、規格策定の過程で、W-CDMAとCDMA2000が並行採用という形となり、GSM陣営はW-CDMAへ、CDMA陣営はCDMA2000へ移行することとなった。なお、中国政府は、自己技術育成の観点から、独自のTD-SCDMAを導入しようとしている。また、3G技術の特許代に関し、「クアルコム」のライセンス価格が高すぎるとして、「クアルコム」とハンドセット(送受話器)ベンダー(販売会社)、チップセットベンダー数社の間で、現在、係争中である。
世界的には、2Gにおいて、GSMが主流となったこともあり、GSMから移行しやすいW-CDMAが、3Gで主流となる見込みであったが、EDGE EvolutionなどのGSM下位互換の有る上位互換規格の伸びにより趨勢は混沌としている。日本ではNTTドコモ、ソフトバンクモバイルがW-CDMAを採用し、国際ローミングや海外メーカー参入が促進されている。CDMA2000は南北アメリカ・アジア地域の一部で採用された。日本では唯一au(KDDI)が採用している。拡張規格にCDMA2000 1x EV-DOがある。
先進国や、CDMA陣営のほとんどは3Gネットワークの導入が済んでいるが、GSM陣営では、ユーザーがより安価なGSM端末を好む傾向もあるため、コストがかかるW-CDMAへの移行はスムーズとは言えない。現実には、安価なGSM端末は、高価なW-CDMA端末(日本以外のW-CDMA端末は、ほとんどGSMとのデュアルモード端末)の何倍も売れ続けているのが現実である。また高価な携帯端末でも、消費電力の少ないTDMA式のEDGEの発熱の少なさや通話時間の長さや電池を減らして軽量化できる利点を重視し、消費電力の多いW-CDMAやCDMA2000などのCDMA式には対応しない端末もある。このため、GSMのサービスの停止時期を打ち出しているGSM事業者は、2007年現在、存在しない。 発展途上国では、固定電話網の未整備を補完し、低価格でデータ通信網込みで広域エリア化するために、最初からCDMA2000技術を400MHz帯に使ったCDMA450による3Gネットワークの導入なども行われている。
2006年の世界携帯電話販売台数における比率は、GSMがおおよそ7割弱、CDMA(cdmaOne + CDMA2000)がおおよそ2割強、W-CDMAは1割弱であった。